空軍大戦略

「空軍大戦略」を観た。第二次世界大戦中の、ドイツ空軍とイギリス空軍との激闘を描いたイギリス映画の名作だが、初めはドイツ軍の兵力の差に圧倒されながらも逆転勝ちするという、エンタメ映画の王道に通じる展開で、兵士や将校をイギリスの名優が多数演じてるのも見所の一つ。
こうした史実としての勝利をエンディングに持って行ける戦勝国の映画を観てると、敗戦国の映画ファンとしてはある種の羨ましさがある。今観てるタツノコプロ制作の「アニメンタリー 決断」という作品は、太平洋戦争中の日本軍の指揮官の「決断」の、成功と失敗の両方を描いてるとはいえ、戦闘の描写は今の所、日本軍の勇ましい部分だけを描いていて、軍部の「責任」はまだ描かれてないので、どうしても右翼アニメに見えてしまう。こうした戦争を題材にした作品と、日本を占領国として非難し続ける隣国のニュースに接していると、戦争を回避する選択を封じ続けた日本のエリートたちへの嫌悪感が強まるばかりだ。その姿勢は今の財務省に重なる。