所有する時代の終焉

ブルーレイはソフトもプレーヤーも製造中止になるらしい。確かにこれだけ配信が普及するともうディスクの立ち位置は狭まる一方で、手元に置いていれば配信停止の心配が無い、配信でもテレビでも放送されない作品でも、ディスクが出ていれば観れる事が、数少ないメリットだ。でも最近は最低でも3000円以上するブルーレイソフトを買う事に意味を感じなくなって来てる。書籍や音楽や映像がネットで楽しめるようになった今では、私もこれらを購入する時に「形ある物」を選択しないようになった。

昭和時代の富裕層や、成功した実業家や映画スターは豪邸や高級車、ヨットなどを所有して満足感を得ていたのだろうが、平成時代の富裕層は立地の良さと居住区域のステータスを重視して高級マンションでの居住が主流になった。車もヨットも維持費が掛かるし、経済規模も縮小している令和のこの国で、昭和の富豪のようなライフスタイルを送っている人はあまり居ないだろう。

富裕層も「無駄遣い」を避けている時代に、私のような庶民はスマホタブレットとノートパソコンが日常の娯楽の中心だ。これらで満たされない物は劇場で観る映画くらいで、亡き父のようなカメラや絵画の収集は経済的にも無理だ。美術館巡りや好きな物のコレクションは富裕層や独身貴族のマニアの楽しみに限定されている。絵を描きたいけど訓練は嫌で道具を揃えるのも面倒な人間には、AIイラストという驚きのツールが出て来た。

ネット時代になって孤独な時間をむしろ若い頃より楽しめるようになって来たのか、意欲が減退してネット環境を受け入れてるだけなのかは自分の中でもはっきりしないが、漫画や小説は紙の書籍、映画はブルーレイソフト、音楽はCDの時代に戻りたいと思わなくなって来たのは確かだ。レンタルビデオ店のVHSテープでも置いてなかった映画を大手配信サイトで観れるというのはとてもありがたい事だから。