殺し屋人別帳

渡瀬恒彦の主演デビュー作「殺し屋人別帳」という作品を観た。スカウトされて東映に入社したのちの名優が、スター俳優だった兄(渡哲也)の七光りデビューという幸運なスタートを切った作品だが、無名の新人が主役なので会社も不安だったのか、東宝から佐藤允を招き、かつての大スターの老優アラカンに不自然な見せ場を作ってしまった(攫われた少女役の大人の女優に「おじちゃん!」と言わせてるのは鞍馬天狗みたいでご愛敬)為、渡瀬・伊吹吾郎両氏の出番が大幅に減ってしまい、プログラムピクチャーなのに主演クラスが多過ぎる変な任侠映画になってしまった。そういう意味では珍品とも言える。