読者の年間購読料に支えられてる時点で終わってる

映画評論家や一部の映画ファンには、退屈な映画を「客に媚びてない」と賞賛する人がいる。そして儲からなくても映画作りの方針を変えず、経済的に恵まれない人を「清貧」と称える向きが未だに存在する(主に某老舗映画雑誌だが)。最近「海炭市叙景」という作品を観たが、映画なのかドキュメンタリーなのか分からないほど退屈な物で、暗くて地味でありのままの人間を描いてればドラマと持ち上げる一部の連中の姿勢は、画壇や文壇と同じで、もう要らない人達だと言っていい。あの雑誌のベストテン発表号で映画評論家兼イラストレーターが「評論家よりエンタメ雑誌が信用されてる時代」とボヤいてたが、ベテラン評論家は主に新聞に映画評を書き込むし、書く方も読む方も平均年齢は中年以上の人が多いだろうから、若い人でもごく一部の映画通にしか届いていないのが現状だろう。
私はテレビ局映画も苦手だが、純文学的な映画を持ち上げる映画評論家の姿勢も支持しない。たまにあの映画雑誌の1位と自分の1位が一致する事はあるが、最近ではソダーバーグの「トラフィック」だ。これはエンターテインメントとドキュメンタリーが奇跡的に融合した娯楽映画で、今でも人に勧めたくなる作品だ。