最後の庶民派監督

西村雅彦ファンの母親が「東京家族」の試写会に行きたがってたようなので、J:COMのVODでアンケートに答えたが、当選しなかった。個人的には山田洋次の映画は好きじゃない。三谷幸喜が観客動員ばかり気にして口当たりのいい映画を撮っているのとは違って、山田洋次は本気で「日本の庶民の為に」映画を撮っている。その本気ぶりが鼻に付くだけなのだ。唯一「男はつらいよ」だけはいい。特別に好きなシリーズでは無いが、柴又の面々を演じた俳優陣と、渥美清の存在があって成立していた「寅さん映画」を初めて観たのは35歳の時だった。「男はつらいよ」を観たのは家族の中でも私が一番遅かった(井筒和幸は一生観ないだろうけど)が、今では国民的映画と呼ばれてたのが解るようになって来た。山田洋次の最大の功績は渥美清とタッグを組んだ事だ。最後の庶民派監督が描く「家族」が自分の頭の中の家族に過ぎないと言うのは言い過ぎだけど。