高見盛の気合い入れ

今年の初場所で引退した高見盛は、取り組み前の独特の気合い入れと勝負が付いた後の気分がはっきり顔に出る分かり易さで長年相撲ファンに親しまれて来た力士だ。私ははっきり言ってこの人の気合い入れが苦手だった。協会幹部が「あれはやめろ」とたしなめると、「何処がいけないんだ!」という抗議の電話が殺到したらしい。しかし私の意見では、気合の注入は支度部屋でするべきで、花道に入ってからは気持ちを落ち着けるのが力士本来の姿だと思う。朝青龍のガッツポーズにしても、観衆に受ければ官軍みたいになって原則が何なのか分からなくなるのがスポーツ興行の困った所だが、同じ武道でもオリンピックで田村亮子が見せたガッツポーズには非難の声が上がらず、モンゴル人の朝青龍がやれば非難されるように、褒める方も貶す方も感情で物事を見てるだけなのは私にも当てはまる。