風立ちぬ

個人的には「もののけ姫」以降の宮崎アニメでは一番好きだ。実写映画やドラマだと軍部の批判や反戦メッセージをはっきり盛り込む所を、本作は「大戦争に突入した日本の中で、オリジナルの飛行機を作りたかった航空マニアの物語」にしたので、戦争批判の部分はかなり抑えた物になっている。こうした部分と、結果的に彼が戦闘機を作った事の責任は描かれてないので、賛否が分かれると思うけど、伝記物語的な題材を完全に宮崎アニメに置き換えた力量はやはり素晴らしく、観終わった時の感覚はこれこそラストメッセージだと思ったのと、「もののけ」から離れ続けていた気持ちが再び戻ったようにも感じられた。あと初めて描写されるラブロマンスの要素も気に入った。