パクリとは思わない

新海誠監督が2012年に「星を追う子ども」を制作し公開されたあと、ファンからジブリのパクリだと散々に酷評されたけど、異世界への境界線で水が流れてたり、陽が落ちる瞬間を美しく描写するなど、この作品を作った経験が「君の名は。」に繋がった事は間違い無いので、未見の方に薦めたい。面白いかどうかは評価が別れるが。

それと「君の名は。」のある重要なシーンが「虹色ほたる」という国産アニメの一場面と酷似していると話題になっててYou Tubeで観たが、これはパクリではなく殆ど全ての映画監督がした事のある引用(悪く言えば映像の無断拝借)だろう。パクリというのは、ストーリーやキャラ設定やシーンに至るまで、他の大成功した作品を丸ごと一本無断拝借しながらオリジナル作品と称して発表する事で、一番有名なのは「用心棒」を無断リメイクした「荒野の用心棒」だが、「君の名は。」の場合は新海監督が他者の作ったアニメ作品で気に入ったシーン(恐らく何回も観てる)を絵コンテで再現しただけの話で、無断で使われた人はいい気持しないだろうけど、これだけ順番通りに拝借されるのは光栄と思ってもいいのではないかとすら思える。ちなみに坂を派手に転がって行く三葉のカットの元ネタは細田守版「時かけ」なので、新海氏は二つの作品から拝借してる事になる。