最近になって
ジブリアニメ「
海がきこえる」の海外上映が決定したというが、
ジブリ唯一の英語字幕上映。吹き替えの費用も惜しく、スクリーンの数も少ないという事か。
この作品が
ジブリ作品で一番
知名度が低く、収益を上げにくいという事がまた一つ証明されてしまったが、
知名度が低い理由は大きく分けて2つあり、1つは本作が
ジブリでは珍しいテレビアニメで、放送されたのはOAの時と、18年後(!)の2011年に「
ゲド戦記」再放送に合わせた抱き合わせ放送のみ(「ゲド」の露払いだったので数字は一桁)。限定上映された事もあるがあまりファン層は広がらなかったようで、ブルーレイ化も
ジブリ作品では一番遅かった。(鈴木プロデューサー曰く、
ジブリ作品では予算の回収にも一番時間が掛かった)。
もう1つの理由は作品自体が地味でメッセージ性も薄く、
ジブリファンにアピールする要素が少ない事で、ヒロインの武藤里伽子は
ジブリ史上一番ワガママで可愛げが無く(彼女にも事情があったが)、見せ場の殆どは主人公の杜崎拓が彼女に散々振り回される所で、終盤までは後味が悪いし、ラストは大学生になった二人が東京で再会した所で終わるなど、ハッピーエンドとも物語の始まりとも取れる淡泊な終わり方で、この作品の一番の魅力はリアリティだと思う。
一部のファンの人気が根強い作品だけど、
宮崎駿監督が本作を観たあと(気に入らなかった説が有力)に「
耳をすませば」を制作し、当時から人気で圧倒し続けてる事実が、抜けないトゲになっているのは私だけでは無いと思う。