アウトレイジ最終章

アウトレイジ最終章」を観て来た。
前作は大友(ビートたけし)と木村(中野英雄)の新たな絆と、それすら利用した片岡(小日向文代)へ大友が銃弾を撃ち込むまでのメインストーリーが静かに盛り上がった傑作だったが、今回はいくら北野映画が好きでもシリーズ中一番雑に見えた。
そもそもピエール瀧の部下が金を払うのを渋って韓国ヤクザの若い衆を殺して日本に逃げ帰る時点で無理が生じてる。大友が日本に帰って復讐するなら、彼とピエールに大怪我を負わされる風俗嬢との親子みたいな描写を入れた方が良かったと思うし、大森南朋が命懸けで大友と行動を共にする理由も解らない。
山王会の会長と若頭と、警視庁の刑事コンビの見せ場は肩透かしだし、池内博之原田泰造は「オレ北野映画に出たぜ」と友達に自慢できる程度の出番しかない。
ラストの大友のけじめの付け方には感慨が湧くが、此処にしても彼と張会長の絆が回想シーンなどで説明されないので物足りない。作中の人間関係が複雑になった分ゴチャゴチャした印象が残ってしまい、大友の行動理由にも無理を感じてしまった点で、有終の美を飾ったとは言いにくい作品だった。