KUBO クボ

この作品の一番の魅力は心意気だと思う。アメリカ人が作った日本を舞台にしたファンタジーだから、「もののけ姫」のような迫力には欠けるし、月の王の衣装は古代中国の老師に見える。しかし邪悪な王を倒して仇を討つ事で得るカタルシスを選ばず、ジブリの監督が選びそうなエンディングを迎える所に、考証の正確さ以上のオマージュを感じた。ストップモーションで動くキャラクターたち、特に仮面を付けた2人の刺客は辻村寿三郎の人形のようで、日本の映画ファンの多くが高く評価したのも頷ける物があった。