初恋(2019)

ジェレミー・トーマスが関わってるから海外市場を意識したのかもしれないが、同時に国内の興行も意識したせいで、昔の三池崇史監督は戻っては来なかった。「殺し屋1」の時の凄まじい暴力描写は、本作では序盤の首チョンパだけだし、若い女優のエロ描写も抑えられていて、二転三転するストーリーで退屈はしないけど、物足りない出来だった。主役の窪田正孝はプロボクサーという設定だが、展開を面白くしてるのはヤクザの染谷将太の方なので、主役と敵役のバランスが悪くなっている。内野聖陽と中国人ヤクザなど、人物と見せ場が多過ぎるし、それでいて塩見三省は後半で全く出なくなるなど、脚本が良ければもっと良くなった点が残念な作品だった。