叶わない夢の方がずっと多い

今の子供に取って夢の乗り物というのは何だろう。今は無きコンコルドは私に取っての夢の乗り物だった。マッハ2の速度が引き起こす騒音問題と、形状から来る乗客数の限界と高額な運賃と人気のバランスなどで遂に廃止されてしまったのだが、他の航空会社も次世代の長音速旅客機に着手する予定は無いらしい。もう一つの夢の乗り物のリニアモーターカーもまだ乗った事が無いが、こちらは恐らく私の生きてる内に商業運転車が開通するだろう。
もう一つの夢だった「世界一周旅行」も死語になって久しい。海外旅行の人気は高いが、豪華客船による世界一周ほどの高額旅行は富裕層にしか許されない贅沢だし、増税が更に追い討ちを掛けるかもしれない大不況の時代に、パートナーとの人生の船出も難しい若者には、船での海外旅行など夢の夢どころか興味の対象外だろう。だから所得が低い人は低いほど近場のレジャーで済ませる。それは解るのだが、幾ら家族サービスとはいえ、川原の焼肉パーティーでゴミを持って帰らなかったり、スーパーの上の階の回転寿司で周りの客の迷惑を考えないのはやめて欲しい。