巨匠と呼ばれているけど

愛、アムール」という作品は海を越えてアメリカでも絶賛されたが、監督のミヒャエル・ハネケの現在の遇され方はかつてのイングマール・ベルイマンを思い起こさせる。私は二人の映画は数本しか観ていないし、好きでも無い。ベルイマンので文句無しに好きなのは「野いちご」だけで、中期からの「陰鬱な室内劇」に移行してからは観るのが辛い物ばかりだ。ハネケの作品も、現代を舞台にしながら自分の観念で締めくくる閉鎖性の強い作風が肌に合わず、これなら初期のジム・ジャームッシュの方がずっと好きだ。「愛、アムール」は要介護の妻を演じた主演女優の鬼気迫る演技には惹かれるが、WOWOWを待とう。