特撮の神様逝く

日本の特撮の神様が円谷英二なら、海外の神様はレイ・ハリーハウゼンだった。合成の限界が無くなり、あらゆる表現が可能になった今のデジタル技術に比べると見劣りはするけど、撮影終了まで大変な手間が掛かったというアナログ特撮の大きな指標になった二人の功績は計り知れない物がある。他に加えるとすると「2001年宇宙の旅」を生み出したスタンリー・キューブリックと、戦後の日本漫画の爆発的進化を促した手塚治虫かもしれない。SFとファンタジーは今では融合したジャンルと言ってもいいが、昔のように大人の映画ファンからこのジャンルが荒唐無稽と呼ばれる事が殆ど無くなったのは、この四人のイマジネーションに勇気づけられた世界中の無数の少年少女たちが、のちに映画、漫画、小説、美術史に大きな足跡を残す事になったからだ。ハリーハウゼンは「キング・コング」のウィリス・オブライエンからバトンを受け継ぎ、より大きくファンタジー映画を発展させた生きた伝説だった。ご冥福をお祈りする。