「さよならドビュッシー」と「遺体 明日への十日間」

昨日は2本映画を観た。
橋本愛が出た「さよならドビュッシー」はストーリー的には嫌いじゃないけど、長ったらしい展開と、一種の反則行為が気になった。ネタバレになってしまうが、大火傷のせいで声を出せない事をトリックとして上手く活かして無い(しかも割と早く話し始めてしまう)。あれだけ悩んでたのなら、懸命に出そうとし続けて、やっと出した声が従妹役の女優の声じゃないと、観る側を「騙した」事にならないと思う。ミステリーとしては駄目だが、ドラマ部分は割と好きな方。
「遺体 明日への十日間」は一つのシチュエーションを徹底的にリアルに再現しようとした意欲作で、「沈まぬ太陽」の遺体搬送と収容シーンを思い出してしまう上に、遺体の検分や遺族による確認などで避けて通れない描写があるので、観た方がいいとは思うけど積極的に薦められない。西田敏行の演技と設定が過剰に見えるのが、作り手の「泣かせ」を意識してしまうというのは穿った見方かもしれないが、もう少し抑えて欲しかった。