大洗史上最大の作戦③

愛里寿車の砲手は悔しさのあまり、隊長の命令を聞かず、主砲をゴジラに向け始めた。主砲が動き出した時に、テレビで観ていた秋山優花里は「あの島田隊長が?」と驚くが、冷泉麻子は「恐らく、砲手の独断だろう」と呟いた。他の学園艦の戦車道メンバーもテレビの前で「やめて!」「無茶よ!」と止めるが、砲手は「くたばれ化け物!」と叫んで発射。ゴジラの喉に直撃した。ケイはテレビ越しに「バカ!」と叫び、ノンナは「何て事を…」と呟いた。ゴジラは全ての大学選抜チームの戦車に熱戦を放射。直撃はしなかったが道路を破壊し、爆風で戦車の全てが横転し、作戦続行は不可能になったが、エネルギーの大半を消費したゴジラもまた海へ向かう。航空自衛隊は総理大臣の正式要請を受けて戦闘機を発進させたが、ゴジラは既に海に消えていた。
黒森峰の学園艦でテレビ中継を見ていたまほはエリカに気分が悪いから部屋に戻ると告げ、自室の机であの時の恐怖と悔しさで涙を浮かべていた。
病院に駆け付けたみほは母親のしほと愛里寿の母、千代と会う。彼女は娘の検査も終わり無事だった事をみほに告げるが、愛里寿が作戦が失敗した事と、部下を全員危険な目に合わせた事を母に詫び、千代がみんなが戻って来てくれただけで充分と告げると、子供の時以来の大泣きをした事を話した。みほはしほに、自分たちも加わった高校戦車道チームでゴジラと戦い、倒したい決意を告げるが、しほは実弾を撃った事も無い子が出る幕は無い、それは試合ではなくて実戦だときつく叱る。それでもみほは引き下がらず、高校生チームは全滅した訳じゃない、西住流戦車道に逃げる道は無いんでしょうと詰め寄る。千代はみほさんの言ってる事にも一理あるから、もう一度文科省自衛隊に話をしてみる事を提案する。しほはみほに、大洗、特にあなたのチームに1人でも反対者が居たら諦めなさいとみほに忠告した。
病院を出たみほをあんこうチームが待っていた。武部沙織は今日は帰ろうかと言い、みほは母に話した事は明日みんなに打ち明けようと思った。その時あんこうチームの前に現れたのは、あまりに奇異な制服を着た二人組の女性だった。一人は坂本美緒、もう一人は宮藤芳佳と名乗り、ゴジラ駆除の為に協力する事を申し出た。
話が今一つ見えないみほ達は、自分たちにもチームが存在し、見せたい物があると言う宮藤たちの学園艦までの同行を認めた。そして学園艦に上陸した宮藤たちに何を見せてくれるんですかとみほが聞くと、宮藤と坂本はストライカーユニットを脚に装着し、アクロバット飛行を披露した。私たちには銃火器もありますという宮藤の言葉に、あんこうチームは感激し、みほは叫んだ。「心強いです!」
その言葉に沙織たちは怪訝な顔をするが、恐る恐る打ち明けたみほの決意に、彼女たちも躊躇いつつ了承する。優花里は「私たちがサポートしますから、西住殿とウィッチの皆さんで、必ず倒す作戦を立ててくださいっ」と声を上げた。
そしてしほが自宅に帰り着くと、まほが待っていた。しほが今度の相手は戦車では倒せない、ミサイルが必要よと告げると、まほは、みほは私が思い付かない作戦を立てて勝利を重ねて来た。今度も私たちが協力すればあの子はゴジラを叩き潰せますと答えた。