大洗史上最大の作戦②

病院に駆け付けたみほに、まほは頭を強く打っただけで心配は無いと告げ、エリカが迅速に手配してくれた事も話した。エリカは「副隊長の役割を果たしただけです」とだけ答えたが、直下たちは頭にマンガのコブを作ってのびているまほに一番動揺してたのはエリカだという事を知っていた。まほは連絡が遅れた理由が、巨大不明生物の通過した跡に放射線モニターの反応があり、検査された為だと打ち明け、全員に異常は無かったが、みほはまた戦慄した。
陸上自衛隊は高校生の戦車道チームに巨大不明生物駆除を肩代わりさせた事を陳謝し、次に上陸した時は全力で排除する事を報道陣の前で約束したが、文科省は首都圏に上陸した場合に大学選抜チームで駆除する事を条件に来年度の予算の増額を首相に頼み込み、了承させた。その頃ネットでは、巨大不明生物の姿が大戸島の神社に掛かっている島の伝説の怪物の絵に酷似してる事と、怪物の名前「呉爾羅」から「ゴジラ」という呼称が定着していた。
2週間後に横浜港に巨大な尻尾が現れ、島田愛里寿率いる大学選抜チームはすぐに行動を開始、上陸前に横浜市に集結し、最低でも港から追い出す作戦の為に、実弾とカール自走臼砲の使用許可も取り付けた。
前列にアズミ、ルミ、メグミ率いる戦車隊が待機していたが、上陸したゴジラの姿に驚き、愛里寿隊長に目標の形状がまた変わった事、熊本の時より更に巨大化した事を告げる。愛里寿は動じず射撃を指示、全車両が頭部と脚部に集中的に打ち込んだが、効果は全く無し。愛里寿は戦車隊を下がらせ、カール自走臼砲ゴジラの胸部を狙わせた。砲弾はゴジラの胸に直撃し出血を確認。愛里寿は「もう一発撃て」と命じる。彼女の戦車の砲手は「このまま死なせてあげましょうよ」と提案するが「あれは害獣だ。必ず駆除しなければならない。もう一発だ」と命じ、二発目も撃ち込まれた。
その直後に咆哮を上げたゴジラは皮膚を更に硬化させ、背びれが発光しだした。そして開いた口から火炎が放射され、アズミたちの戦車を巻き込んだ。その火炎は熱戦に変化し、カール自走臼砲に向けて発射。直撃した自走臼砲は溶け出し、中の乗員が脱出したあとに爆発した。先に火炎に巻き込まれたアズミたちは無事だったが、戦車は損傷が激しく走行不能だった。