一番好きだったジャンプ系漫画

80年代の伝説的バイオレンス漫画「ブラックエンジェルズ」の作者である平松伸二の近況をウィキってみたら、今でも自身のヒット作のキャラの再生産で食い繋いでいるようだ。あれだけインパクトのあった漫画は二度と発表出来ないのかもしれない。平松氏の絵はシリアスな劇画調でありながら、「ゴラク」系の絵とは明らかに異なり、女性読者にも受け入れられる絵だった。特に「黒い天使(ブラックエンジェル)」と日本の権力奪取を目論む「竜牙会」との死闘を描いた「竜牙会編」は怒涛の展開と言ってよく、「キン肉マン」や「ドラゴンボール」のように強さのインフレに上手く対処出来なかった作者の不器用さが(作風とキャラの違いも理由だが)作品のヒートアップに貢献した、ジャンプのヒット作の中ではやや異質の漫画だった。同時期の高橋よしひろが手掛けた「銀牙」も、巨大熊「赤カブト」との死闘を描いた「赤カブト編」までは非常に面白く(最高のギャグ漫画と評した人も居たが)、連載途中で完全燃焼した所と、ハードなバイオレンス描写などに「ブラックエンジェルズ」との共通点がある。両作とも古本で全巻買い直した、たった二作のジャンプ系漫画だが、もう一つ好きだった「こち亀」は今でも連載が続いてるのが凄い。