「こんさとし」というアニメ監督

現在活躍しているアニメーション監督のうち、「サマーウォーズ」の細田守宮崎駿タイプだとすると、「カラフル」の原恵一高畑勲タイプに見える。そして一番好きな監督で、押井守タイプに強引に当てはめてみた今敏(こんさとし)がもうこの世に居ないのが残念でならない。今月はCSで彼の作品である「千年女優」「東京ゴッドファーザーズ」「パプリカ」が放送されているが、ファンに取ってはありがたい事で、デビュー作の「パーフェクト・ブルー」もやってくれたらそれこそ完璧だった。彼の作品は傑作かどうかは別にしてどれも面白かった。WOWOWでオンエアされたテレビシリーズの「妄想代理人」も、途中までは良かった。広げた風呂敷の畳み方はプロでも後輩に教えられる物では無いので大変だったと思うが、「パプリカ」のクライマックスも同様の失敗をしているので、夢の映画のクライマックス=暴走という図式は一旦捨てるべきだったかもしれない。しかしリベンジを果たす時間も無く今監督は逝ってしまった。彼の不在は私に取っては大きい。