北尾光司死去

新人類(今で言うゆとり)横綱という、如何にも上の世代が好みそうな異名で呼ばれていたが、この人はそれにふさわしい相撲界の異端児だった。数十年に1人の素質に恵まれながら、稽古嫌い、師匠の説教は聞かないなど、様々な逸話がまことしやかに書かれ、現実に師匠と大喧嘩して部屋を脱走するという最悪の事態を引き起こしてしまい、優勝経験が無い(昇進後も結局ゼロ)のに横綱にした協会も含めて大バッシングを浴びた。
プロレスに活動の場を移しても先輩に反抗する癖は治らなかったようで、総合格闘家、かつて自分が所属して代替わりした相撲部屋のアドバイザーもすぐに辞めてしまい、結局相撲時代の栄光を忘れる事が出来なかったのだと思う。
葬儀は夫人と娘だけの家族葬だったそうだから、推測だが生活を支えていたのは夫人だったのだろう。決してファンでは無かったが、ダメ人間としてある意味で心配していたし、記憶にずっと残り続ける横綱だった。