とうとうやって来た一桁視聴率

オリンピックの影響をモロに被ったようで、大河ドラマ平清盛」の関東での視聴率がついに7・8%に落ち込んでしまった(関西は8・1%)。松山ケンイチの抜擢は私も不安に感じていたが、此処まで落ち込むと脚本と演出の酷さだけで無く、主役の影の薄さも不人気の理由に挙げられるだろう。松山は役者人生最悪の貧乏クジを引いた訳だ。個人的に大河は俳優の演技に独特の「調子」が求められる所があり、それが苦手だ。時代劇の芝居はある種仰々しいので、それを違和感無く演じられるのは歌舞伎俳優ぐらいだろう(黒澤明三船敏郎は時代劇について当初は共に門外漢だったので、スター中心の東映時代劇とは様相が全く異なっていた)。現代劇中心の俳優が大河に出るとあまり上手くないように見えてしまう。まして松山は主役なので余計に熱演になっていて、彼が脇役ならこれほど叩かれる事は無かっただろう。が、それ以上に酷いのはハレーションを起こしたような照明、武士とは思えない薄汚いメイク、統一感の無い演出、そして次の回が見たくならない展開と、連続ドラマに求められる条件を殆ど満たしていない。来週最終回を迎えても抗議の声は100件ぐらいではないだろうか。そして次週からは「梅ちゃん先生」の総集編を流せばいいのではという気にもなる。あの朝ドラもかなりいい加減な出来だが。